相変わらず書きかけのまま数週間放置してる日記を完成させる記事。年内はリアルタイムで書けれたらよいなあ。…というわけで以下なるべく当時の熱意を思い出して書きました。
(追記)結局年が明けたよ~~~~うわ~~~~ん!!!とりあえず書ききるよ!!
~前回までのあらすじ~
浮かれ気分で大阪に降り立った私。しかし、推し俳優へ誕生日プレゼントを購入するリスクを考えてとフォロワーさんに諭されて、川原さんのお誕生日プレゼントについては留保することに。推しへの課金欲が中途半端に消え、購買欲のみが残った状態の中、とある人物を思い出す…。
父がいるじゃん!!!!
あのですね、ちょっとここで注釈をいれますとね。
うちはちょっと特殊で誕生日や記念日に物品を贈り合う習慣がないという家庭だったんですね。ただし全く贈り物がなかったわけではない。12/25の朝目が覚めると枕元にプレゼントの小包が置かれていた年もあったし、「誕生日プレゼント」という形でコート掛けやアウトドア用品を買ってもらったこともある。*1しかし、こう、フィクションの世界であるような(こういう言い方をする時点でプレゼントという行為を現実で期待していないな)包装紙に包んで「はい」と渡されるような、「今日は誕生日だから」「試験に合格したから」という名目で何か特別な体験を感じるような気分の鳴ったのは数えるほど…という子供事態を過ごしてきたので、もちろん両親に対しても今の今まで一切贈り物をしたことがない。旅行に行ったらお土産を買うし、ケーキやちょっとしたお菓子を買って食べることもあるけれど、みなさんがイメージするような気持ちを物品で伝え合う行為は一切なかったのです。*2
川原さんが60歳なら父も60歳だ。せっかくなら子供たち(と私の母)からなにかできないかな~と考えていた。推しの誕生日プレゼントばかり頭にあったわけじゃないぞ!!!
そうだ、川原さんへ渡すプレゼントがグレーゾーンな今、父のプレゼントを買ってしまおう。せっかく大丸にいるのだ。都会のしゃれた店で買ったほうが泊が着くってものだろう*3
で、王道のネクタイや高級ボールペンやストール…などなど8階と9階をうろうろするもこれといってピンとくる商品がない。というより、正直私から渡すものはなんでも喜んでくれそうという自信と、それでも30年近く娘として生きているので、好みもある程度把握しており、なるべくそのストライクゾーンに近いもの(使用頻度が高そうなもの)を渡したいなあという願望もあるんですわ。その中でもパーカーのボールペンはかなり気に入って、カタログをもらったほど。結局1時間ほど売り場を徘徊して、一旦晩御飯を調達しに地下へと繰り出した。久しぶりのデパ地下に興奮してあれこれ買ってしまったが、旅行テンションということで良しとする。
その後、新幹線の時間まで数十分あったのでグランフロントにある茅乃舎に行こうとするが、どうにも名残惜しく再び紳士服売り場に戻ってきた。だいたい目星はついたしな…と先ほどのフロアの反対側歩いていると...。ギュギュン!!ととある商品が目に飛び込んできた。
花に吸い寄せられる虫のようにふらふらと店の敷地に足を踏み入れると、すかさず自社製品を粋に着こなした店員が近づいてくる。
「父の還暦祝いを探しているんです」とこの日何度も口にした文句を唱えると、店員さんは私が凝視していた商品他数点をなんだか素敵な什器の上に置いて見せてくれた(ちなみに手袋を嵌めていたのでそんなに高級品なのかと恐れおののいたけれど、私には素手で触らせてくれた)
店員さんは「お父様の写真はありますか?」と私に聞いてくれ、カメラロールの中から比較的写りの良い写真を見せると、ラックに掛かった他の商品を数点持ってきて、とたんに什器の上が洒落たコーディネートで一杯になった。
写真を見せてほしいと言われたのも初めてだし、ファッションと接客のプロの手腕を目の当たりにして、すっかり私はこのお店が気に入ってしまった。さらに、商品説明を聞けば聞くほど、触れば触るほど、もうこれしかない!!今日1日はこれに出会うためにあったんだ!!いやむしろこれ、川原さんへプレゼントしたいな!!と気持ちが高まり、もうこれは購入まで9割進んだな、あとはいつ「買います!」って言うか問題だな、というグルーヴが私と店員さんの間で高まった頃
「実はこの商品この店舗で最後の一点なんです。毎日磨きながら『お前はいつ新しいご主人のところに行くのかな~』と思っていたんですよ」
ズゥキュ~~~~~~ンンン!!!(特大のキューピッドの矢が心臓に突き刺さり、救急車で運ばれて病院内をストレッチャーで運ばれる)毎日磨きながら!業務の一環だろうけれど、店員さんが開店前に綺麗なクロスで丁寧に商品を磨いている風景が一瞬頭の中で再生され、そんな...そんな胸を打たれるエピソードを披露されたら!!買うしかない!!!
「これにします!!!!」
「ありがとうございます。....実はですね、これちょっとした提案なんですが、ご一緒に靴下もいかがでしょうか」
「あ~!!!(商売上手だな!いいや!乗ってやろう!断るのも面倒くさい!!)靴下も包んでください!!」
実際はもう少し複雑なやりとりがあったけれど、おおむねこんな感じでした。
その後、新大阪へ向かう電車の時間が迫る中、大慌てでラッピングをし、あわただしく会計を済ませ、(店のロゴが入たグリーティングカードを書くもなぜか逆に書いてしまい、書き直す時間すらなかった)、慌てすぎてデパ地下で買った惣菜も忘れかける始末だったが、なんとか大きなタスクを終えることができた。
既に父へ無事プレゼントを渡し終え、大成功を納めている。
ベルトに穴が空いておらず、メッシュの部分にツク棒を通すことができるのが一番の決め手だった。
弟は弟で父の好み全開のプレゼントを用意しており、二人揃って渡した時は
「子供からプレゼントを貰ったのは初めてだ」
と感激してくれた。考えれば当たり前だ。今までこちらも渡したことはなかったんだから。
こんな形でのお祝いは今後考えていないので、最初で最後のプレゼントは思いきった物を買って良かったな。と私も大変満足している。*4なんだかんだ、プレゼントは選ぶ楽しさが一番大きいと思っているので、なかなか有意義な体験ができました。川原さんへのプレゼント選びの予習にもなったしね!!!!
家族や友人など近しい間柄で贈り物を日常化的にしている人にとっては、なにをいまさら...プレゼント買うだけなのに大げさだなと思うかもしれませんが、参考の1つにしていただけたら...。