肩甲骨が剥がれない

Twitterの補完版として始めたけれど、自分の備忘録状態。なるべく他人に読んでもらうつもりで書きます。

2021/06/13 トムクル

www.nhk.jp

家族の送迎があったのでその道中にこれを見ていました。

 

私にとってのトム・クルーズ=イーサン・マシュー・ハントなのでミッション:インポッシブルの劇中映像とかその他ミッション関連に言及したインタビューがあるかな程度に見始めた。

 

トム本人がこのドキュメンタリーのために語っているとか公式からの見解が直接的に語られているのではなく、過去のテレビ出演やメイキングで語っている内容を編集してトム・クルーズの「永遠の若さ」をオスカー・ワイルド原作の「ドリアン・グレイ」(番組内では1945年制作版が使われていた)になぞらえていた。

吸血鬼の世界とハリウッドスターの世界は似たようなものです。

日の光から遠ざけられた引きこもり生活です。

外に出るたびに大きな波紋を広げます。

そして永遠の若さを運命づけられた存在です。

ニール・ジョーダン 映画監督

 

トム・クルーズの人生をプレイバック…というより、ハリウッドで実力と人気を兼ね備えトップスターへの階段を駆け上がる俳優が一方でサイエントロジーの思想に共感していく様子を描く構成にうーーん…。広報の専門家にメディアでサイエントロジーについて語ることを禁じられたことで私生活は謎に包まれた。と語られていて、おいおい、それじゃあトムのプライベート=サイエントロジーってことかい?彼が強い思想を持った宗教に傾倒しており、その思想がちょっとあの、アレというという情報は耳にしたことがあった。私のトムは映画雑誌や出演する映画関連の記事、映画のコメンタリーやたまにゴシップ記事からうかがい知るのみだったので、そうか、世間一般から見たトム・クルーズってこんな人なんだなと勉強になった。
一番の収穫は、トムの過去の出演作から当時トムが置かれていた状況、ハリウッドでの立ち位置、そして役作りや映画に対する彼の真剣な姿勢を知ることができて、純粋にトム・クルーズがもっと好きになった。

 うれしかったのは、ゴプロからのミッション:インポッシブルシリーズをトム・クルーズの新たな起点として大きく取り上げてくれたこと。

 

50歳を超えた今も彼は走り続けます。これまでよりも速く。彼は想像を超えたスタントを通して自らの肉体をいけにえとして映画に捧げます。

 ゴプロ~FOまでのトム走りが上手い具合に編集されている!!!!かっこいい!!!!!眼前の敵を真っ直ぐ見つめ、一直線に走るイーサン。赤の広場やドバイの砂漠、ベラルーシミンスク、ロンドンの街中、オフィス…その他名シーンがたくさん選ばれていて(モロッコのシーンでベンジーも一緒だった!!!!)それぞれ作品を思い出して悦に浸っていた。

 

でもな!!ケイティ・ホームズとの離婚でプライベートが孤独になったと決めつけて、FOの冒頭のソロモン・レーンを「この映画に登場する神父はサイエントロジーの悪魔なのでしょうか」っていうのはさ~~~~~~解釈違い!!!!!

多少文章に癖があって強火の思想を感じるけれど、下調べと参考資料の量が半端なくてその知識量がすげえなって読み進めた二次作品の、最後の最後で盛大な解釈違いが登場して、そういう性癖の作者か~~~~~あ~~~~~ってなる感じ。

 

 

 

 

 

推しがいる大陸の住人としてつづ井さんのコミックエッセイは突き刺さる名言が多い。

crea.bunshun.jp

私も 推しのこと

知っている気になっているけれど

それも結局 彼が

アイドルとして見せてくれている顔の

寄せ集めでしかなくて…

 

そういう意味では

本当の彼が分からないっていうのは

私もつづ井さんと

同じだなあって思ったの

この回のMちゃんのセリフが琴線に突き刺さって最近推しについて考えるときにいつも思い出してしまう。私も推し「俳優:川原和久」として見せてくれる顏以外の顔を覗き込むのはどうなん…?と思って仕事として露出する媒体を「公式」と崇めることにしている。でも彼の演技に対する姿勢とか、オフの日に何をしてオンの仕事のモードに切り替えているのかとか、プライベートが全く仕事に影響していないとは考えられないから、ジレンマなんだよな~~。たまに演劇仲間や共演者たちのSNSに登場するオフと仕事モードの中間くらいのオフ原さんを非常にありがたく受け取っている。*1

 

 

つまりはですね*2誰もトムのこと知らない。知った気になっているだけで、製作者の解釈をふんだんに取り入れられた二次創作だなあ。と思ったわけです。少し前にバンクシーのドキュメンタリーを見た時も似たような構成だったけれど*3「覆面」アーティストなので最後の結末は無難なものだった。*4

単純にトム・クルーズカッコイイ~~~いつまでも若々しい俳優だぜ!!!と称賛するのではなく内面は苦悩していて決して完璧なスターではないんだよ…。と新たな一面を1時間のドキュメンタリーにまとめたのは意欲作だなあと思う。でもな!!映画スターとしてのトムしか知らないし知る気もなかったので、同じ地球に生きているけれど生息する地域は違う者だったなあ。と思いました!!!

 

まあ解釈解釈と生身の人間をコンテンツ扱いしている時点で同じ穴の狢ですけれどね!!!

*1:だからこそ篠原ゆき子さんのシーズン中のツイッターは数年単位の供給過ぎて脳がバグりそうになった

*2:制作するうえでトムのエージェントや事務所のチェックはあったと考えても

*3:あれもフランス制作だった

*4:サンタクロースと同じように夢のある存在的な