遅くまで頑張った。いつものスーパーへ行く気力もないので職場近くにある同じ系列のスーパーに立ち寄った。
惣菜売り場を徘徊して手頃な惣菜を手に取り、さあレジに向かいましょうかねと歩き始めたところ、棚の影から職場の人が現れた。
!?!?!?!?
コンマ0.05秒の反応速度で進路を変えた。グイっと体を右に捻ってスタコラサッサとかつてない速さでレジヘ。
見られた…?こちら側は相手の全身を視認していたので相手も確実に私が視界に入っているだろう。気づいていないといいんだけれど。向こうが私だと認識していなければいいのだ。
職場の敷地を出た瞬間に脳内がプライベートモードに切り替わるので、たとえ一瞬でも職場の存在を思い出したくない。ましてやスーパーで買い物をする姿なんてプライベート極まりな姿を見られたくないしこちらも見たくない。
嫌な汗をかいたぜ……。とひやひやしながら帰ってきた。これからは横着しないでいつものスーパーに行こう。
普段はストレートで飲む食後の紅茶に、今日はミルクと砂糖を入れてみた。温かく甘い液体が染みる。ミルクティーって美味しいなあ…。と至極当たり前のことを感じた。